広島大学病院遺伝子診療科の概要

  • 2002年産科・小児科遺伝カウンセリングの検討ワーキンググループとしてスタート
  • 2003年広島大学病院中央診療部門として遺伝子診療部が設立
  • 2019年4月檜井孝夫特任教授(消化器外科)が着任
    開設以降初の専任医師が配置、がんゲノム医療を推進
  • 2019年9月がんゲノム医療拠点病院に指定
  • 2020年1月遺伝子診療科へ科名変更

当科の役割

当診療科は、遺伝カウンセリング全般、がんゲノム医療の診療、遺伝医療に関する倫理審査機能、臨床遺伝専門医陪席研修、認定遺伝カウンセラー養成課程実習施設、広島臨床遺伝研究会の運営といった機能を担っています。

診療内容について

1. がんゲノム医療

2018年2月、全国に「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」が指定されました。当院では2019年4月より檜井教授ががんゲノム医療の統括責任者となり、同年9月には「がんゲノム医療拠点病院」に指定されました。遺伝子診療科では診療のコーディネートを行うとともに、エキスパートパネルの運営、検査で見つかった二次的所見への検査前後の対応を行っています。今後、広島県内の「がんゲノム医療連携病院」と連携し、新しい診療体制を構築してまいります。詳しくは病院ホームページをご覧ください。

病院ホームページへ

2.IRUD(未診断疾患イニシアチブ)

当院は2017年にIRUD拠点病院となりました。IRUDについてはこちらのページをご覧ください。

3.遺伝性疾患に関する遺伝カウンセリング

当科で対応する疾患は他診療科領域にわたります。当院は臨床遺伝専門医の数も多く、幅広い領域での遺伝カウンセリング、遺伝学的検査の相談に対応しています。
主な診療科は以下の領域ですが、詳しくは病院ホームページをご参照ください。

周産期遺伝カウンセリング

産婦人科と連携し、高齢妊娠だけでなく胎児超音波異常(NT、染色体異常、FGR、水頭症、脊髄髄膜留、骨系統疾患、ARPKD)、前児に代謝性疾患や神経筋疾患の既往、トキソプラズマ感染など幅広い疾患を対象に遺伝カウンセリングを行っています。 各種出生前検査につきましてはこちら

小児期遺伝カウンセリング

小児領域では、染色体異常、性分化異常(先天性副腎皮質過形成、アンドロゲン不応症)、代謝異常(オルニチンカルバミラーゼ欠損症、メンケス病、ミトコンドリア病、ガラクトース血症、メチルマロン酸血症)、神経筋疾患(筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、)、IRUD(未診断疾患イニシアチブ)など、遺伝についての相談や診断まで、幅広く対応しています。

成人期遺伝カウンセリング

成人では神経疾患の遺伝カウンセリングが多く、近年遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリングも増えてきました。
神経疾患では脊髄小脳変性症や筋強直性ジストロフィーの相談、Duchenne型筋ジストロフィーと診断された発端者の血縁者の保因者検査の相談にも対応しています。
遺伝性腫瘍については、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)やリンチ症候群、リ・フラウメニ症候群などの遺伝カウンセリング、遺伝学的検査を行っています。